ベガハウスさんが隔月で発行されているフリーペーパーに、
「くらし」をテーマに1ページ書かせていただきました。
たいした「くらし」してないもので、
何を書くか迷った末に、
友人らと行ったキャンプについて書くことにしました。
テーマどおりに着地できたかどうだかはなはだ疑問ですが、
一生懸命書いたので許してください(笑)。
フリーペーパーは4人の友人の分ももらってきました。
奴らが死んだら(ぷぷっ)通夜の席で奥さんにこっそりあげる予定。
だからさー、
ふもっちゃん、早う嫁もらえ。
俺たちの明日チック
高校の同級生で集まった酒の席で話が盛り上がり、キャンプをやることになった。「もう40代なんだしみんなでキャンプやろう。女や子供は置いて男だけでキャンプだ。男だけで楽しむことも必要なんじゃないか。」と、いつも家族そっちのけで夜の天文館パトロールに精を出す男の言葉に、「そうだそうだ、女、子供はいらん。男だけでキャンプじゃ。」と、フモト君が焼酎のお湯割りを手に力強く頷いた。「でもお前、女も子供いねーじゃねーか。」そこにいるみんなは、心の中でフモト君につっこんだ。
キャンプ当日、フクハラ君の家に男5人で集合した。フクハラ君の自宅には梯子で降りる地下室があり、そこには雀卓2台に漫画がどっさり、ゲーム完備で、なぜかパチスロの台も4、5台設置してあった。さらに裏山にゴルフの練習場まで自分で作っている最中で、オレたちは尊敬の念を込めて、彼の家を「フクハラ城」、彼のことを「田舎の所ジョージ」と呼ぶ事にした。
しかし、そんなドリームランドを集合場所にしてしまったがために、完全に友達んチに遊びに来た高校生モードに入ってしまったオレたちは、遊びすぎて予定より2時間も遅れてキャンプ場に向け出発することになってしまった。バカ、バカ。
キャンプ場。夜。たき火のまわりに男5人で集まり、大自然のなかでボーッと火を見ながら、ちびちび酒を飲む。どうでもいい話ばかりが延々と続く。41歳にもなるといろいろで、求職中のやつもいるし、大きな病気を乗り越えたヤツもいるし、嫁さん募集中のヤツも、待望の第一子が生まれたヤツもいる、オレだって当時は店の移転でかなり悩んでた時期だった。でもあとで考えてみたら、誰ひとり仕事や家庭の愚痴をこぼさないというか、仕事の話も家庭の話も不思議と何ひとつ出てこないのね、あんなとき。
ひと足先に眠くなったオレは、たき火のほうからボソボソ聞こえてくる声を聞きながら、こいつらとはこんな感じでこれからも続いていくんだろうなって考えて、今度は絶対家族を連れて来てやろうなんてことも考えながら眠りについた。
翌朝、オレの携帯には「根性なし!」「寝んなボケ!」のメールが何十件も入っていた。